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トップ  >  中国フルート友の会発足に際して 1974.8月 会報第1号より

中国フルート友の会発足に際して


この度、吉田雅夫先生を名誉会長に戴き、中国地方のフルート愛好家の集りを結成致しました。国内で有名なフルーティストを名誉会員に、200名の会員を得て、去る8月10日リバーサイドにて発会式を行ないました。
この会はフルート音楽を通じ、文化の向上に寄与することを目的と致して居ります。
全国的な傾向にありますが、フルート愛好家が増えつつあります。中国地方も、たくさんのフルート愛好家の方達がいらっしゃいます。広い年令層に親しまれて居るフルート音楽をより楽しく演奏し、聞ける場を出来得る限り設けたいと思って居ります。


名誉会長 吉田 雅夫


みなさん、よくいらっしゃいました。吉田です。人の前に立つと話が出来なくなるたちなんで、何を話してよいか、全然考えて来なかったんですけども、名誉会長、大へん光栄です。フルートの好きな方の五味会合が出来るということは、私にとってもうれしいことなのです。最近、よく学校などで、専門家を教育するのは大嫌いだから、私の好きなのは、音楽のわかるインテリの方々に音楽を教えたいのです。専門家なんか、これからはもうつくらなくてもよい、ということを言うと、大分怒ってる生徒がいるようです。
というのは、これからの時代では専門家なんていらない時代がくるのではないかと常々考えているものですから、つい言葉になって出るんですけど、やたらと、フルートが好なものだから専門家になるということは出来るだけ避けたい。特に男性はできるだけおやめになった方がよいということを考えるわけです。何故、音楽をやめた方がよいか、ちょっと解らないことなんですけど、ギリシャ時代に、人間として学ぶべき四つの学門の中に音楽が入っているのです。ギリシャ語でカオギャラティという言葉があります。この語の意味ははっきりわかっていません。誰に聞いても正しい解答は得ていないのですけど、本当の意味は翻訳出来ませんけど、本によりますと、西洋の僧侶が冥想にふける、とあります。じっと目をつむり、考え込んだり、自分の教会で、部屋で考え、精神を集中するわけです。
東洋の僧侶は座禅を組んだりして精神を集中する。しかし、一般の人々、凡人は座禅を組んだり、冥想にふけったりすることは殆んど不可能である。ではどうすればよいか。音楽をするのが一番よいというわけです。冥想にふけったり座禅を組んだりするのと同じように精神を集中出来る。であるから、誰でも音楽をやらなくてはいけない。音楽をやって学ぶ最終的な目標は精神集中である。ですから音楽家は、楽譜こ向かった場合に全てを忘れて、目の前の楽譜に精神を集中すればよろしい。そうすれば、その人が難問に精神を集中しようとした時にすぐに出来るようになる。だから、音楽は立派な人間になるために、幸福な人間になるために音楽をどうしても学ばなければならない。これは、ギリシャ時代からの理想なのです。
中国でもそういうことを言っています。日本でも、例えば尺八というのは、本当の意味では、音楽というより、むしろ宗教ですし、そういう意味で皆さんが、これからフルートを吹く時に、余計なことを考えずに、一生懸命にその楽譜を音にしようと努力すれば、その日的は達するわけです。ですから、上手に吹こうと野心を持つこと自体がすでに間違いであって、一生懸命吹いていれば、自分も楽しいし、聞いている人にもある程度の感動を与えることができる。よく言えば上手になるほど良いわけですけども、上手になろうという努力よりも、楽譜に向かって精神の集中を学んでいただきたい。もし出来れば、友達と合奏して楽しむということも大変必要であって、専門的に、フルートがどうのこうの、あまり気になさらない方がよい。ですから、こういう会が出来て、皆さんが楽しくフルートを楽しまれることを、私は心から望んでいます。簡単ですけど、ご挨拶に代えます。


名誉会員 原田 康夫

 只今紹介にあずかりました原田です。私が名誉会員にしていただいて戸惑ったり、光栄に致しております。私はフルートは全く吹けません。この中ではもっともフルートを知らない人間だと思います。私は二十年間歌を唄っておりまして、色々とオペラなどをやりました。御出席の会長先生はじめ諸先生や音楽の先生方とご一緒に演奏したことが何度かあります。現在、島根大学とエリ ザベート音楽大学で音声学と申しまして、音の発生のメカニズム、声の発声のメカニズムなどについてお話ししているわけでございますが、私、本来は耳鼻科の医者でございまして、耳鼻科をやり初めたということは、歌が好きだということで、一番関係のある科はどこだろう、と考えましたところが、やは。耳鼻科だと、声の出る所、喉という関係でございまして、現在耳鼻科を本職と致しております。  私、医者をやっておりまして、常に思うんでございますが、現在、色々な実験をやって居りますけれども、この中におきましても、吉田先生のおっしゃられたように、精神統一の出来るのはどこで学んだかと申しますと、小さい時からうけた音楽の教育だと思うんです。音楽の教育、バイオリンをひくわけですが、それをやっている時間だけは瞬間少しでも精神統一をはずれますと音がふらついたり、歌を唄っている最中に他の事を考えますと、必ず何か起こります。そのように、音楽を学ぶという事が、現在の私の研究生活という事に非常に意義があったと思うのです。現在、私の子供こフルートを一生懸命吹くように言いますが、いつのまにかなげておりまして、最近、また少しやろうかと、いじっているようです。又、こういう会が出来ました機会に是非ともやらせようと思っております。というのは、我々医者の世界に居りましても、瞬間的精神統一をさせられる時が非常によくあります。それは、特に耳鼻科と申しますのは、聴覚をあげたりする所の器官をつついたりいたします。非常に小さな耳の構造の中には三つの骨がございます。 一番小さな骨があります。徴小骨と申しますが、こういう骨を、……三つの骨が少しでもはずれますと、音が聴こえなくなります。いかに立派なフルートの演奏を聞こうと思いましても、骨がはずれてしまいますと音が聞こえないわけです。それをうまく再建したり、新しく作ったりして、耳が聞こえるようにするわけですが、その瞬間、全部顕微鏡の下でやるのですが、それが精神統一が出来ませんと、骨がはずれて後耳が聞こえないということがありますけど、こういうことも、音楽をやって覚えたのではないか と思うわけです。  それから、私、現在二足ワラジをはいて参りまして、片一方で医者をやり、そしてもう片方がその音声楽と申しまして、音について色々やって居るわけでございますが、皆様には、機会があれば呼吸法についていつかお話しが出来るのではないかと思っております。  この会は、竹本先生のお人柄もさることながら専門の方々が集まって、それに、このように愛好家の方達が集まられて、会が立派に発足したわけでございますが、このように、会の発足というものは、非常にキラキラと輝やかしいものでございます。そして数年が経つと、その会が色あせたり、すぼんだりするものですが、だけど今日こうして見ますと、若い人達がたくさん居られますので、この会は益々発展するのではないかと思っております。名誉会長の吉田先生、そして会長さん、そして立派な諸先輩の実際の演奏 家の方々がたくさんおられます。この会がますます発展して、そしてこの会から演奏家が生まれ、それ以上にたくさんの愛好家が次から次へと広まっていって、この会が一層良い会になります事をお祈り致しまして、私のあいさつを終らせていただきます。


会長 竹本 博

 皆さん、今日わ。私が委員の方々におされまして初代会長をつとめさせていただく竹本です。  何故この会を作ったかと申しますと、長くなりますが、現今のフルートブームと言いますか、フルートを吹く人が多いのには驚いてしまいます。が、念願のフルートを手にした人が程なくやめてしまうという例をよく聞きます。それで、私達専門にフルートを吹いている者が集まりまして、フルートを皆さんにより良く理解してもらい、末永くフルート音楽を楽しんでいただく様、広島を中心とした会を作ろうということになり、御多忙な吉田先生にも名誉会長をお引受けいただき、今日の発会式を迎えることが出来ました。なお、名誉会員に川崎 優、宮本明恭、植村泰一、小出信也、野口竜、斎藤賀男、以上の各先生の御快諾を得ました。地元 名誉会員としまして音楽に御造詣の深い原田康夫先生(当時:広大医学部助教授)、藤井義昭先生(外科病院長)にも心よくお引受けいただきました。  この会の主旨は先に皆さんに送りましたように、色々書いてありますが、内外の有名な演奏家の方の演奏会などは大いにやりたいと思っております。それから公開レッスン等も名誉会員の先生方にお顔いしまして、実現したく考えています。それから、合奏の楽しみを皆さん味わっていただきたいことです。一人でフルートの音色を楽しむのも良いものですが二人、三人と集まって合わせれば楽しみも倍加しますし、友人も出来る良さがあります。この会の予告では、11月9日(土)にスイスのペータールーカス・グラ ーフ氏の公開レッスンを午後一時より、演奏会を午後七時より行いますので大いに期待して下さい。 なお、この会が末長く発展しますのは、偏に皆さんの御協力の如何にかゝっておりますので何卒よろしくお顧い致します。  なお、今回この会が出来るにあたり、各方面より多大なる御協力をいただきましたことを、あらためてお礼申し上げます。

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