2016-04-23 |
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音楽のこぼれ話(1) 林忠敬 <会報No.101より>(Letter) |
音楽のこぼれ話 (1) 林 忠敬 “こぼれ話”ですので、その話をどこで拾ったのか、どんな由来でポクの記憶にあるのか、よくわからないものも多くあります。 わかるものは出典を書きたいと思っています。 話ですので、順番に話して成り立つというものではなく、心にうつりゆくままに書きます。 みなさんが面白いと思って読んで下さることを期待して書きます。 最初は「速度記号」のことです。 1813年2月19日のベートーヴェンの手紙です。イギリスのジョージ・トムソンという出版社に宛てたものです。「・・・ところで、この曲集にあるアンダンティーノは、アンダンテより速いのですか?それとも遅いのですか?それを教えて下さい…。」 あなたはベートーヴェンに何といって返事をしてあげますか? 次はポク自身のことです。昔々その昔、ケーラーのエチュード1番のレッスンを受けた時、楽譜の最初に書いてあるAllegro moderatoというのは何という意味か先生に質問しました。アレグロもモデラートも両方共に速度記号なので困ってしまったのです。 先生は、"あっ、それはモデラートの様なアレグロという意味だよ”と教えて下さいました。あなたなら何と生徒に教えてあげますか? そんなことがあって、何十年かのある日、「モデラートは、付加語的に使用されると、≪控えめな≫という意味が強くなる。」と知りました。一件落着です。アレグロ・モデラートは、≪控えめのアレグロ〉ですね。 次の話をしましょう。みなさんは≪定旋律≫という言葉を開いたことがありますか?中世の複旋律の音楽で、ミサ曲など作る時、低音にグレゴリ聖歌を用いたりしましたね。あれを定旋律といいます。ルネサンスの時代になりますと、世俗音楽や自作の曲などを定旋律に用いるようになりました。この頃、ジョスカン・デ・プレ(1440〜1521)という作曲家がいました。この時代の作曲家の最も得意とした音楽は、ミサ曲とモテットでした。 そこで、彼のモテットに、彼の世俗曲を定旋律にした有名な曲があります。その音楽は、Lascia fare miラツシャ フアレミ(俺にまかせておけ)という曲なのです。みなさん、この定旋律のメロディーを歌ってみて下さい。原題を気をつけて読んで下さい。ラッシャ ファレ ミです。 答えは楽譜にすると、このようになります。 林先生が会報の為に寄稿してくださいました。 思わずクスッと笑ったり、そうなんだ、と納得する話が沢山です。 不定期になるかもしれませんが連載予定ですのでお楽しみに!! |
Posted by cffadmin |
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