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2016年05月13日
音楽のこぼれ話 (2) 会報No.103より(Letter)
音楽のこぼれ話 (2)
林 忠敬(中国フルート友の会名誉会長)

15世紀末フィレンツェで、「サヴオナローラ革命」という大事件がありました。
 サヴォナローラは、ドミニコ派修道会士で、当時、フランス軍のイタリア侵入におびえる市民を煽動、“慎みを欠いた栄華の追求が悲劇をまねく”と云って市中にある絵画作品を火中に投じました。世界史では「虚栄の焼却」といってる事件ですが、その時あまり目にふれないところにあった2点の絵画が助かりました。現在ウフィツィ美術館にあるポッティチェッリの≪春≫、そして≪ヴィーナスの誕生≫です。ロレンツォ・デ・メディチ家の絶頂期にある頃です。このロレンツォにジュリアーノという弟がおりました。大富豪の次男坊で、気楽にその日を送ればよいように思いますが、彼には、一人の女性の面影が焼き付いて離れない、という大きな悩みを持っていました。その人の名はシモネッタ。でもこの女性は、ヴェスプッチ家の若妻。この時代には珍しく貞節な人妻で、この時代を代表する美人だという。ジュリアーノは、ポッティチェッリに、貝に乗って海から現れる女神を、シモネッタに似せて描かせたといわれる。
 この頃、音楽の歴史では“フランドル楽派あるいは、ブルゴーニュ楽派”の時代。これよりも前の時代のノートル・ダム時代の音楽を聴いてもらうと分るが、するどく打ちつけるような響き、空虚五度といわれる響きの音楽がありました。14世紀の中頃から15世紀中頃、イギリスとフランスは100年戦争という長い長い戦争をしましたが、その時、イギリス軍の司令官ベドフォド侯爵(ジャンヌ・ダルクと戦った人です)。その侯爵の音楽家がダンスタプル。この人によってフランスにイギリスの音楽が大量に入ります。中でも重要なのが三度。これがあるから、グリーンスリーブスのようなやさしいメロディがあるのです。
 あの名画と三度をつないでおいてもらえれば、新しい音楽の生まれるその時を思ってもらえるかも、と思いました。
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2016年04月23日
音楽のこぼれ話(1) 林忠敬 <会報No.101より>(Letter)
音楽のこぼれ話 (1)
林 忠敬
“こぼれ話”ですので、その話をどこで拾ったのか、どんな由来でポクの記憶にあるのか、よくわからないものも多くあります。
わかるものは出典を書きたいと思っています。
 話ですので、順番に話して成り立つというものではなく、心にうつりゆくままに書きます。
 みなさんが面白いと思って読んで下さることを期待して書きます。
 最初は「速度記号」のことです。
1813年2月19日のベートーヴェンの手紙です。イギリスのジョージ・トムソンという出版社に宛てたものです。「・・・ところで、この曲集にあるアンダンティーノは、アンダンテより速いのですか?それとも遅いのですか?それを教えて下さい…。」
 あなたはベートーヴェンに何といって返事をしてあげますか?
 次はポク自身のことです。昔々その昔、ケーラーのエチュード1番のレッスンを受けた時、楽譜の最初に書いてあるAllegro moderatoというのは何という意味か先生に質問しました。アレグロもモデラートも両方共に速度記号なので困ってしまったのです。
 先生は、"あっ、それはモデラートの様なアレグロという意味だよ”と教えて下さいました。あなたなら何と生徒に教えてあげますか?
 そんなことがあって、何十年かのある日、「モデラートは、付加語的に使用されると、≪控えめな≫という意味が強くなる。」と知りました。一件落着です。アレグロ・モデラートは、≪控えめのアレグロ〉ですね。
 次の話をしましょう。みなさんは≪定旋律≫という言葉を開いたことがありますか?中世の複旋律の音楽で、ミサ曲など作る時、低音にグレゴリ聖歌を用いたりしましたね。あれを定旋律といいます。ルネサンスの時代になりますと、世俗音楽や自作の曲などを定旋律に用いるようになりました。この頃、ジョスカン・デ・プレ(1440〜1521)という作曲家がいました。この時代の作曲家の最も得意とした音楽は、ミサ曲とモテットでした。
 そこで、彼のモテットに、彼の世俗曲を定旋律にした有名な曲があります。その音楽は、Lascia fare miラツシャ フアレミ(俺にまかせておけ)という曲なのです。みなさん、この定旋律のメロディーを歌ってみて下さい。原題を気をつけて読んで下さい。ラッシャ ファレ ミです。
 答えは楽譜にすると、このようになります。

林先生が会報の為に寄稿してくださいました。
思わずクスッと笑ったり、そうなんだ、と納得する話が沢山です。
不定期になるかもしれませんが連載予定ですのでお楽しみに!!
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